新年のごあいさつ|日本の印刷 2022年1月号

新年のごあいさつ|日本の印刷 2022年1月号

あけましておめでとうございます。

 日頃より全青協の活動に対し深くご理解をいただき、多大なるご支援を賜っておりますこと、年頭に際し改めまして心より感謝を申し上げます。

 2021年は前年より続く新型コロナウイルス感染拡大の影響で一年の半分以上が緊急事態宣言下ということもあり、大変厳しい中の活動となりました。2月に開催いたしました全国協議会も、リモート参加のみということになりました。しかし、リモートでの視聴ということに慣れてきたこともあり、近年としては数多く、193名の方にご参加いただきました。とくに全青協活動においては、Zoom等のITツールの有用性を改めて認識いたしました。

昨年は今期全青協テーマ「四方よしのデザイン」において、前年ブロック協議会で行った「デザイン思考とデザイン経営」をどのように発展させるかを検討し、活動の軸として「パターン・ランゲージ」の考え方の習得と実践ということにいたしました。パターン・ランゲージは、良いデザインや良い実践の秘訣を共有し、新たな課題発見・問題解決を促進させる体系的手法で、いわば“問題解決の法則”の様なものであり、我々としてはデザイン思考の結晶だと考えております。全国協議会ではこの分野の日本の第一人者である慶應義塾大学の井庭崇教授にご講演をいただきました。

 これを受け、各社で本内容の実践(パターンづくり)をしていただき、秋のブロック協議会にて報告してもらうことにいたしました。実践への取り組みを促すために、ブロック協議会前に「プレブロック協議会」として、いくつかのブロックは合同にて全4回、主にリモート形式でセミナーを開催し、延べ182名の方にご参加いただきました。

 そして全9回にわたり開催されたブロック協議会では、会の前半にデザイン思考やパターン・ランゲージを振り返って説明をしながら、それぞれの実践報告(作成したパターンの報告)をしていただきました。各社内でパターンづくりをおこなって頂いた方からは、新しい視点やコミュニケーションが生まれたと感想をいただきました。

また、会の後半では「フューチャーランゲージ」を用いてワークショップを行いました。パターン・ランゲージはこれまでの積み重ねたものを見つめ直し、これをベースに未来を作っていこうとする”フォアキャスト”の方法ですが、パターン・ランゲージの考え方の枠組みをベースにしつつ、逆に未来を想定してそこまでの道筋をつける”バックキャスト”的手法が「フューチャーランゲージ」です。リアル参加者は模造紙と付箋で、リモート参加者は「miro」というオンラインツールを用いて行いました。ツールも含め参加者には新鮮な体験と重要な意見交換、そして貴重な交流の機会となったと存じます。

これらの内容を全国9箇所でそれぞれハイブリッド形式にて行い、延べ参加者は301名(うちリモート参加者104名)となりました。ご来賓の皆様をはじめ、ご参加くださいました皆様、そして開催にご協力をいただきました皆様に深く感謝申し上げます。

 さて、本年はこれまでの道のりや実践内容、ワークショップ結果などを踏まえ、これまでの活動をまとめた冊子を制作する予定です。ぜひ各地の青年印刷人の皆様にお手にとっていただき、全青協活動への理解をしていただくとともに、今期取り組んだ四方よしのデザインの考え方をお伝えしたいと思っております。本件を含め、関係各位の皆様におかれましては、引き続き全青協活動へご支援のほど、何卒よろしくお願いいたします。

全国青年印刷人協議会 議長  今井 孝治

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