Design & Reason|日本の印刷 2022年5月号

Design & Reason|日本の印刷 2022年5月号

先般、東京・日比谷にて開催された全国協議会において、次期議長として現在東京ブロック副議長である岩村貴成さんが承認され、私が議長を拝命した今期2年の全青協活動も一つの区切りを迎えましたので、恐縮ではございますがご挨拶申し上げます。

 今期のテーマは「四方よしのデザイン」です。近江商人に伝わるとされる「三方よし=売り手よし、買い手よし、世間よし」に「未来よし」を加え、これをデザインの方法を使って実現していこう、というものでした。

 このテーマを発表したのは2020年2月16日、秋田で開催された全国協議会です。これ以降、新型コロナウィルス感染拡大状況にひたすら翻弄される中での活動となりました。推進事業について熱く議論をすべく全員出席が当たり前だった正副議長会議ですが、実際に全員集まれたのは2年でたった1度だけでした。何もかもが新しい日常、通信の不安定なリモート会議での意識合わせ、全国各地の初訪問の場所に機材を持ち込んでの素人集団によるブロック協議会Zoomハイブリッド開催等々、想定外の高いハードルが多々ありましたが、皆様の積極的なお力添えをいただき、新しいハード・ソフトを使いながらイベントを運営することができました。

 推進事業1年目(2020年)のコンテンツは、「四方よし」に向けまず取り組むべき「デザイン思考・デザイン経営」についてのセミナーでした。デザイナーである2人の議長指名副議長を中心に作成いたしました。本内容は別途撮影し、映像コンテンツとして残させていただきました。

 デザイン思考については、経営革新マーケティング委員会でもテーマの一つとされ、著名なクリエイティブディレクターの佐藤可士和氏の講演において私も質問者として参加させていただきました。その他設営していただいた、アートディレクターの田子學氏のセミナーなども含め、青年会メンバーにとっても良いコラボレーションになったと感謝しております。

 2年目(2021年)は実践につなげたいということで、1年目の途中からどの様な方法があるか真剣に模索しました。デザイナーでなくてもデザインができて、しかもサステナビリティをもった枠組み、そんなものが果たしてあるのかと思いながら、私の前職の関係の方のSNS投稿から偶然見つけたのが、2年目のテーマ「パターン・ランゲージ」でした。日本における第一人者である慶應義塾大学の井庭崇教授を2021年2月の全国協議会の基調講演としてお招きし、以降、実践を様々な形で行いました。

 この内容も含め、冊子「四方よしのデザイン」としてコンテンツをまとめさせていただきました。またその後、パターン・ランゲージをよりわかりやすく把握していただき、かつ各社でのデザイン思考の実践への第一歩となることを目指して、「印刷営業」に向け日頃意識してもらいたいことを集めた日めくりカレンダーを制作いたしました。両方とも事務局にて販売予定ですので、ぜひよろしくお願いいたします。

 改めまして、これまで全青協活動を築いてこられた諸先輩方、そして今期活動にご指導ご協力頂いた皆様に心より感謝を申し上げるとともに、これからも全青協活動への引き続きのご協力を何卒お願い申し上げます。

 議長職を拝命し、大変ではありましたが、意義のある充実した2年間でした。本当にありがとうございました。

全国青年印刷人協議会 議長  今井 孝治

冊子「四方よしのデザイン」/日めくりカレンダー「よりよい印刷営業のコツ」

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